地震活動の研究
大地震前の地震活動の変化
地震活動は、気象庁や防災科学技術研究所、大学等が設置、管理する4,375個の地震計により、日本で発生する非常に微弱な地震から大地震までの高精度なデータを解析可能です。
大きな地震前には、周辺の地震活動に変化(群発地震、静穏化)がみられます。
群発地震発生後、ほぼ同じ地域やその周辺で発生する地震と遠地で発生する地震(例:宮崎県沖の日向灘で群発地震が発生した後、広島県沖の安芸灘で大きい地震が発生)があります。
群発地震発生後、周辺で大きな地震が発生する事例(M5以上)
長野県と岐阜県堺の事例
岐阜長野県境で1998年8月に数日間群発地震が発生し、その数日後に大きな地震が発生した事例。
群発地震:1998年8月7日~8月11日
その5~9日後、
1998年8月12日 M5 最大震度5弱、
1998年8月16日 M5.6 最大震度4 の地震が発生。
より長期間のデータで検証したところ、1997年以降で6回ほど群発地震が発生していました。
これらの後に地震が発生していたか検証したのが、図①②となります。
図①の黄色円は観測範囲で、赤丸が群発地震後に発生した地震、青丸が群発地震無しに発生した地震です。これを見ると、観測範囲である、群発地震が発生した近辺の黄色円周辺に赤丸が集中しています。
図②が統計解析の結果で普段の12倍起こりやすい状態になっていたことが分かりました。
群発地震発生後、遠地で大きな地震が発生する事例(M5以上)
日向灘での事例
日向灘で2001年3月に数日間群発地震が発生し、その数日後に大きな地震が発生した事例。
群発地震:2001年3月6日~3月15日
その9~18日後、
2001年3月24日 M6.7 最大震度6弱の地震が発生。
より長期間のデータで検証したところ、1997年以降で6回ほどスパイクがあり、群発地震が発生しており、これらの後に地震が発生していたか検証した結果、普段の25倍起こりやすい状態になっていたことが分かりました。
より長期間のデータで検証したところ、1997年以降で6回ほど群発地震が発生していました。
これらの後に地震が発生していたか検証したのが、図③④となります。
図③の黄色円は観測範囲で、赤丸が群発地震後に発生した地震、青丸が群発地震無しに発生した地震です。これを見ると、安芸灘~豊後水道に赤丸が集中しています。
図④が統計解析の結果で普段の25倍起こりやすい状態になっていたことが分かりました。
群発地震による解析事例
静岡県東部と関東東方沖での群発地震の事例
静岡県東部と関東東方沖の群発地震などから、レポートにおいて茨城県南部~千葉県南東沖でM5クラス・最大震度4の地震発生の可能性を記載したところ、配信4日後の千葉県北西部でM5.9・最大震度5強の地震が発生しました。
前震(地震の連鎖性)による解析事例
宮城県沖と日本海での前震の事例
群発地震の他に前震に関する解析
、地震の連鎖性について、実際の配信レポートの事例を紹介します。
群発地震は地震発生回数の増加ですが、前震は本震の前に地震が発生したかどうかです。
「09月30日 宮城県沖 M4.5・最大震度3」や「09月29日日本海中部 M6.1・最大震度3」の地震が発生したことから、レポートにおいて2週間以内に浦河沖~岩手県沖でM5-6クラス・最大震度5弱の地震発生の可能性を記載したところ、配信2日後に岩手県沖でM5.9・最大震度5強の地震が発生しました。