一般社団法人地震予兆研究センター:2018年6月18日配信レポート

2018年6月18日、7:58に大阪府高槻市を震源とするM6.1・最大震度6弱の地震が発生いたしました。この地震でお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りいたします。
このたびEPRCでは特別に6月18日に配信されたレポートの全文を公開いたします。


今週発生した地震について

先週土曜日から震度4以上の地震が連日発生いたしました。(6月16日千葉県南部 M4.5/最大震度4・6月17日 M4.6/最大震度5弱・6月18日 M6.1/最大震度6弱)平成30年4月以降、震度4以上を観測した地震発生回数は「19回」で、平成30年1月1日から3月31日までの3か月間での発生回数「9回」の既に2倍以上発生しています。このように日本全体で震度4以上の地震が急激に増加傾向にあります。





今回の震央地は、今後30年以内にM7.5程度の巨大地震が発生する確率は、0~0.03%程度と内閣府が発表していた「地震危険性の低いエリア」で、M2程度の小規模地震発生はありますが、震度4以上の地震は1596年9月慶長伏見地震(死者1000名以上)以来422年ぶりです。



この地震によって、大阪北区・高槻市・枚方市・茨木市・箕面市において、震度6弱の揺れが観測され、地震規模は当初発表M5.9からM6.1に修正されました。
マグニチュードが1違うだけで約32倍のエネルギー量に値するため、阪神淡路大震災M7.3/熊本地震M7.3に比較すると、6月18日のM6.1の地震はわずか1.5%(1/67)程度の地震規模であります。地震規模からいうと極端に大きい地震ではありませんが、震源の深さが約10kmという比較的浅い地震であったため、局所的に震度6弱が観測された地震でした。この地震の事前に観測された異常値は、下記の通りです。

  • 右記のように、通常大きな地殻変動が観測されない大阪周辺において、フィリピン海プレートの沈降圧力の影響から、6月16日の電子基準点データに、本日の震央地南側の複数の地点(京都加茂・生駒・八尾・河南・大阪)にて、大きく西側に変動する地殻変動(最大約1.4cm)が観測されていたため、M6クラス地震発生の可能性を把握していました。

  • 地下水観測(天王寺・宝塚)においては地震発生前には異常な変化は観測されず、地震発生後に歪計の観測値が上昇しています。

  • 地電流においても事前に異常な変化は観測されておりませんでした。

  • 淡路島の牧場において、6月6日に乳牛の搾乳量の低下が観測されていました。
    *大地震10日前程度に、地中の重低音や電磁波の影響から、周辺の牧場で搾乳量の低下が観測される場合があり、東日本大震災でも事前に観測されていました。
    (水色ラインは変動トレンドと呼ばれる正常範囲です。)

震央地周辺の活断層



【大阪北部地震:今後の考察】

震源深さが約10kmと、比較的浅い地震であることから、今後同震央地でM4クラスの地震発生の場合においても最大震度5弱程度が観測される可能性があるためご注意ください。
なお、今回の地震がトリガーになり、周辺の活断層(有馬-高槻断層帯)で地震が発生した場合には、M7クラス・震度7の地震発生が予測されるため、数日間はご注意ください。

(過去の参考地震)
・2011年3月9日 M7.3 宮城沖 → 2日後:3月11日 14時46分 M9.0 東日本大震災
・2016年4月14日 M6.5 熊本 → 2日後:4月16日 1時25分 M7.3 熊本地震
・1995年1月16日 M3.3 明石海峡 → 翌日:1月17日 5時46分 M7.3 阪神淡路大震災


【関東圏での大地震の可能性】

5月末から6月上旬にかけて千葉県東方沖において6.5cmほど太平洋プレートがオホーツクプレートに沈降するスロースリップが観測されました。
この影響により、房総半島が太平洋プレート側に、毎週1~1.5cm程度西進する地殻変動が観測されています。

2018年6月12日千葉県東方沖M4.9/最大震度3の地震発生以降、震度3を超える地震が連日のように発生しているため、今後も千葉県沖でのM6クラスの地震発生の可能性が高いため、事前の備えの準備をお願いいたします。

最新週の地殻変動:北海道



■大きな地殻変動が観測されていないため、被害を伴う⼤地震発生の可能性はありません。
  • 北海道東方沖では、2週間前に比べて地震発生回数に31回→33回と大きな変化はありませんが、M4クラスの地震発生が2回→5回と増加傾向にあります。周辺で大きな地殻変動が観測されていないことから、大きな被害を伴う地震発生の可能性は低いと思われますが、現在の地震発生状況からM4クラスの地震発生の可能性は十分考えられます。
  • 渡島半島・函館市周辺において南西に向かう小規模な地殻変動が2か所で観測されています。北海道西部の「厚真」とその周辺で3週間前から大きな地殻変動が観測されておりましたが、地殻変動値が減少傾向にあることからM5クラスの地震発生の可能性は低減したと考えられます。1923年以降に渡島半島では過去にM6以上の地震が「1945年4月10日 苫小牧沖 M6.3・最大震度4」と「1992年8月24日 渡島地方東部 M6.1・最大震度4」の2回発生しておりますが、当時の電子基準点は未整備であり、最新データで観測されている地殻変動がこのような地震に繋がるか検証不可能であるため、日々の地殻変動値に注視致します。


最新週の地殻変動:東北



■M5:福島県・栃木県(最大震度4)
  • 秋田県「東成瀬」と宮城県「宮城川崎」にて向かい合うような大きな地殻変動が観測されました。過去20年間において、類似の地殻変動をした事例は3回ありますが、いずれも観測日以降2週間以内にM5以上の地震発生はありません。向かい合うような地殻変動が観測された場合、その中心エリアに歪が集中していることが推測されるため地震発生の可能性が高まります。現在のところ大きな地殻変動が観測されているのは2地点のみであることから、即時の大地震発生の可能性は低いと考えられます。
  • 福島県「桧枝岐」、栃木県「塩谷」にて1.5cmを超える大きな地殻変動が観測されました。2013年2月25日に栃木県北部で発生した「M6.3・最大震度5強」の地震発生3日前にも類似の地殻変動が観測されていますが、最新データでは過去事例に比べて地殻変動が観測されている地点が少ないため、②のエリア近辺では、過去事例より小規模なM5クラスの地震発生の可能性が考えられます。


最新週の地殻変動:関東・中部・東海



■ M6:千葉東方沖(最大震度4) ■ M5:栃木~茨城/千葉県境(最大震度4)
  • 6月17日に群馬県南部で「M4.7・最大震度5弱」の地震が発生しました。「2013年4月30日 群馬県南部 M4.3・最大震度3」の地震発生2日後に「群馬県南部 M4.3・最大震度4」の地震が発生した事例や、「2016年7月9日 栃木県北部 M4.4・最大震度3」の地震発生9日後に「茨城県南部 M5・最大震度4」の地震が発生した過去事例から、関東の中央構造線断層帯沿い(②のエリア)でM5クラスの地震発生の可能性が考えられるため、ご注意ください。
  • 千葉県にて大規模な地殻変動が5か所で観測され、同時に震源の深さが30㎞以内の地震が111回発生しました。このエリアは、約2週間前からスロースリップ現象が観測されているエリアです。上記図中の東西方向に延びる複数のラインは、フィリピン海プレートの潜り込み深さを10km毎に示したもので、地震が群発しているエリアと照らし合わせてみるとプレートの潜り込み境界面の深さと、発生地震の深さが一致していることが分かります。2週間前に比べて、地震発生場所が房総半島直下へ移動しており、且つ地殻変動値が非常に大きくなっていることから、房総半島直下でスロースリップが起きている可能性が考えられるため、今週においても①のエリアにおいては、M6以上の地震発生の可能性がありますので、引き続きご注意ください。


最新週の地殻変動:近畿、中国、四国



■M5:大阪(最大震度4)  ■M5:日向灘(最大震度3)
  • 6月18日 7:58 に大阪府高槻市を震源とする M6.1・最大6弱の地震が発生いたしました。 今後数週間はM4クラスの余震が継続すると考えられます。震源地が深さ10kmと浅いため、震度5弱が観測される可能性もありますのでご注意ください。また、本地震は有馬・高槻断層帯の東端部で発生したため、西側の有馬・高槻断層帯にかかる歪は解消されていない可能性がありますので、今後の地殻変動値と地震発生状況によってはM6以上の地震発生が考えられます。
  • 愛媛県東予では微弱地震の発生が増加しています(先々週2回→先週74回) 。また、高知県西部~愛媛県南予にかけて、複数の電子基準点で南西へ向かう地殻変動が観測されています。これは、2か月前からは配信レポートに記載している「フィリピン海プレートの沈降圧力の高まり」に関与したものであり、日向灘周辺に固着点が生じた可能性があります。周辺で大きな地殻変動値は観測されていないことから、即時に大きな地震に繋がる可能性は低いですが、今後の地殻変動値と地震発生状況によってはM6クラスの地震発生が考えられます。


最新週の地殻変動:九州



■M5:薩摩半島西方沖(最大震度2)
  • 阿蘇山周辺の火山性地震発生回数は引き続き多発しています(先々週1768回→先週2181回)、今週も阿蘇山の地下において火山活動が活発化していると推測されるため、今後の地殻変動値と地震発生状況に注視致します。
  • 「鹿児島2」において南方への大きな地殻変動が観測され、周辺でも同様方向への小規模な変動が3か所で観測されています。過去20年間でこのエリアではM5以上の地震が26回発生しています。このうち、2012年10月16日に発生した「薩摩半島西方沖・M5.0・最大震度2」の地震の8日前には同様な地殻変動が複数の電子基準点で観測されました。このことから、1~2週間以内に薩摩半島西方沖でM5クラス(最大震度2)の地震が発生する可能性がありますので、ご注意ください。


最新週の地殻変動:奄美大島~台湾



■ M5:沖縄本島周辺(最大震度3)
  • 沖縄本島の「本部」において南西方向への中規模な地殻変動が観測されました。また小規模ではあるものの、周辺の「粟国」、「北谷」、「知念」においても南方への地殻変動が観測されています。過去20年間でこのエリアではM5以上の地震が75回発生しています。このうち、 2007年8月1日に発生した「沖縄本島北西沖・M6.1・最大震度3」の7日前にも同様な地殻変動が観測されていました。最新の地殻変動値において、大きな変動は観測されていないことから、大きな被害の出る地震に繋がる可能性は低いと考えられますが、今週中に沖縄本島周辺においてM5クラスの地震が発生する可能性があります。



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